おはんこ日記

映画の感想など

バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生を見た(私はなぜヴィランに惹かれるのか分かった気がする)

ワンダーウーマン1984を気に入った私。

 

ohaginoanko.hateblo.jp

 

DCユニバースに興味を持ったので、他の作品も観てみることに。

 

 

 バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生

 

私が見たのはアルティメット・エディションではない。普通にTSUTAYAで借りた。
ユーザーの感想を見ていると、アルティメット・エディションを観ることが強く勧められているので、見れる人はそっちを見た方が良いと思う。

 

難しかった……けど良かった


理解するのが難しいなー、と思った。
(アルティメット・エディションだと分かりやすくなっているらしいが、観ていないので分からない)
複雑な話。ダークな空気が流れている。

と書くと、あんまり気に入らなかったみたいだが、全然そうじゃない。
めちゃくちゃ良くて、感動してしまった。私、DCに弱いな……

 

本当は前作のマン・オブ・スティールから見た方が良かった、とは思う。
その方が理解しやすかったのかな、と……

原作への愛を感じた(原作読んだことないけど)
バットマンとスーパーマンを魅力的に見せようという意志を強く感じる。
気合があり過ぎて、初心者には分かりにくい話になっているんだろう。

 

レックス・ルーサーヴィラン


いつもヴィランに注目してしまう私は、バットマンとスーパーマンと同等にレックス・ルーサーも今までとは違う魅せ方をよく考えられていることに感動した。
スーパーヒーローと同等の扱いをされているスーパーヴィランに愛情が掛けられているのを感じた。


メイキングによるとレックス・ルーサーはスーパーマンの敵役で、ジョーカーよりも古いスーパーヴィランの元祖ともいえる存在らしい。
今回はレックス・ルーサーの息子という設定(名前は同じレックスだけど)。
いかにも若い実業家という風貌だけど、やっていることは狡猾。バットマンとスーパーマンが闘う状況を作り出す。


最後、刑務所内でスキンヘッドになったレックスは、バットマンの脅しに屈さず余裕を見せる。
その場面で、私は衝撃を受けた。

「もう戻れない。敵は次々やってくる」というニュアンスのことをレックスは言う。
いかにも満足げに、自信に満ちた様子で……
続編への布石のような台詞だ。
レックスは他の敵と知り合いではないだろうが、何となく仲間と感じていて、自分と共にスーパーマンたちと戦ってくれる存在と思っているのは感じる。

 

その前、バットマンとスーパーマンはレックスの策略によって互いに戦わされた。また、スーパーマンアメリカ国民からも憎悪の目を向けられた。
2人はお互いの使命を果たすために、それぞれ孤独な戦いに挑んだ。

孤独なヒーローと、「俺には仲間がいる」感を出しているヴィラン……
私は何だか嬉しくなった。
その理由を下に書く。

 

私がヴィランに惹かれる理由

 

私は物心ついたときからとにかく悪役に惹かれる子供だった。

何で私は悪役に惹かれてしまうのか、自分でもよく分からなかった。
おとなしく真面目で、道に落ちているゴミを許せず家に持ち帰ったりする子供だった。
悪いことをしたい、と思うことなんてなかった。
(フィクションでは、最初は善人だった人物がヴィランになるパターンもままあることではあるが)

自分でも謎のまま数十年を過ごしてきた私だが、この映画を見て謎が解けた気がする。

基本的に正義側には仲間がいる。対して、悪は基本的に孤独である。

私は子供の頃から人付き合いが苦手で、友達もほとんどいなかった。
だから、悪側に自分を重ねたと思われる。


現実世界で、孤独=悪と考える人は多い。
「あいつは友達いないだろうな」という悪口を言う人がいる。
善い行いをした人の幸せな結末として「愛する人たちに囲まれて死んだ」とか「お葬式に沢山の人が訪れた」という表現がとられることもある。
仲間がいないこと=悪、仲間がいること=正義(とまではいかなくても善いこと)、というイメージは何となくある。


私は、孤独になりがちな自分に対する罪悪感を、孤独な悪役に投影して共感していたのかもしれない。


この「バットマンVSスーパーマン」では正義が孤独になる、という逆転がある。

バットマンやスーパーマンには実際には仲間がいる。アルフレッドやロイスといった人たちだ。
しかし、仲間がいても癒せない孤独を2人には感じる。ときに人々から誤解され、憎まれても正義を行わなくてはいけない孤独……

そんな孤独な人物でも正義なんだ、という嬉しさを私は感じる。
孤独だからといって悪ではないんだ、と思う。

正義か悪か、と孤独かどうか、は関係がないのだな、とこの作品を見て信じることができた。
今までも信じていなかったわけではないけど、スーパーヒーローが身をもって示してくれているのが嬉しかった。


もちろん、ヴィランもやっぱり好きだ。
孤独=悪側と思っていた私は、たとえ悪であっても孤独に自分の信念を貫き戦うヴィランの姿にいつも励まされてきたから……

基本孤独なヴィランも仲間を作ることはある。
損得関係しかない関係でも、それでも仲間ではある。

(昔、バットマン・フォーエバーのリドラートゥーフェイスの関係が好きだったな)

正義でも悪でも、孤独でも孤独じゃなくても、大した違いはないのかもしれない。
いや、悪よりは正義の方が良いか……


好き

じわじわ好きだな、って気持ちが溢れてきた。
世界観が最高に好き。
前作のマン・オブ・スティール、続編のジャスティス・リーグも観よう。

楽しみができて嬉しい。