おはんこ日記

映画の感想など

藁にもすがる獣たちを見た

TSUTAYAの新作コーナーで見て、絶対面白いやつ!と思って借りた。

 

見たらやっぱり面白かった。


複数の人間の騙し合いや蹴落とし合いみたいな話は好き。

あらすじ(公式HPより引用)

失踪した恋人が残した多額の借金を抱えて金融業者からの取り立てに追われるテヨン、暗い過去を清算して新たな人生を歩もうとするヨンヒ、事業に失敗してアルバイトで必死に生計を立てているジュンマン、借金のために家庭が崩壊したミラン。ある日、ジュンマンが勤め先のロッカーの中に忘れ物のバッグを発見する。その中には10億ウォンもの大金が入っていた。地獄から抜け出すために藁にもすがりたい、欲望に駆られた獣たちの運命は――。果たして最後に笑うのは誰だ!?

 

二転三転して展開が読めない。

多くの登場人物が死んでしまう冷酷な展開。
特定の登場人物を贔屓せずに、突き放してそれぞれの運命が描かれていくのが良い。

 

借金取りのドゥマン(チョン・マンシク)とか、最初はめちゃくちゃ恐ろしい人物に見える。実際、テヨン(チョン・ウソン)からはそう見えていた。
しかし、大金に翻弄されているうちに段々そこまででもない人物に見えてくる。
取り立てる金が見つからなければどうしようもない。

ヨンヒ(チョン・ドヨン)とかもそう、最初と最後の印象は結構違う。

結局、金を持っているか持っていないか、暴力を振るうことができるのか、暴力を振るわれるだけなのか、といったところで人間の強さや弱さは決まってしまうのだな、と思った。
同じ人物でも状況が変わってしまうと見た目から受ける印象すら変わってしまう…

 

ドゥマンの手下の何するかわからんような男みたいなのは別として、基本的に人間の強さというか格のようなものは持っている金で決まるような気がする。

金を持っている者は尊重されるし、持っていないものは軽く見て良いと人間は考えがち…
だから、自力で金を稼ぐことができない者に福祉が金を与えることは必要なのだと私は考える。
生きるためということもあるけど、人間として見なされるためには金が必要だ。

あと、人を信じてはいけないな、ということも再確認した。
特に金のない人間は、ないなりに持っていたごく僅かなものさえも奪われてしまうと取り返しがつかないから…

 

いろいろ考えてしまったが、とにかく面白かった。